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北欧の暮らしに学ぶ居心地の良い空間

2025年7月13日
北欧とは、一般的に北ヨーロッパに位置するデンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、アイスランドの5つの国々を指し、このうち、スウェーデン・デンマーク・ノルウェーの三か国はスカンディナヴィアと呼ばれています。
これらの国々は、独自の特色を持つ一方で、歴史・文化・社会の面で多くの共通点をもっていますが、最も注目すべきは、「世界幸福度ランキング」で、常に上位を占めている点でしょう。これは、医療費や学費が無料で生活保障が充実していることもありますが、なによりもシンプルながらもストレスの少ないライフスタイルや価値観が根付いていることが大きく起因しています。
自然とのつながりや、家で家族とすごす時間をとても大切にしたり、質の良い品を手入れしながら長く使い、新しいモノや価値観を適度に取り入れたり、北欧の人々の暮らしには、ささやかな幸せを見出す工夫が随所に生かされえています。
例えば、木製の家具やウール・リネンといった天然素材のラグを取り入れることで、温かみのある空間を創ったり、暖色系の照明やキャンドルで柔らかさを演出したり、ふわふわのクッションやブランケットを用いて寛ぎとリラックス効果を高めたり、その工夫はインテリアにも存分に発揮されています。
心地よい空間づくりに欠かせないものとして、照明とラグの工夫があります。北欧のインテリアの特徴は、両方の使い方が上手いところ。日本では部屋全体を明るくするのが一般的ですが、北欧では日照時間が短く、家で過ごす時間が長いため、自分たちが過ごす場所だけを間接照明で照らしてリラックス効果を高めたり、フロアランプやテーブルランプでコーナーごとに明かりを灯すことで光の重なりを演出したりします。特にキャンドルは、炎を灯すだけでリラックス効果抜群のほのかな明るさとあたたかみを生み出してれるため、非常に有効です。
ラグにも同じような効果があります。ラグがないとポツンポツンと家具が置かれ、寂しくまとまりのない空間になりますが、ラグを敷くと、空間を平面でゾーニングすることができるので壁や間仕切りが無くても、その場所が際立ち、奥行きが生まれます。
居心地がよい時間や空間を意味する「ヒュッゲ」や、過不足なくちょうど良いを意味する「ラーゴム」といった北欧の価値観を意識すれば、きっと心にやさしい生活空間が実現するはずです。

名作が生まれる所以

北欧ではいわゆる「サステナブル」な、「不要なものは他人に譲渡するサイクル」が定着しており、住宅や家具のほか、食器などは代々受け継がれるものという考えが主流です。特にデンマークは、作る側も使う側も耐久性やデザイン性、機能性への探求心が高く、そういう背景があるからこそ、感性豊かで美しいデザインと使いやすい機能性を兼ね備えた品が多く生み出されるわけです。
アルネ・ヤコブセン(スワンチェア)
フィン・ユール(No,45)
ハンス・J・ウェグナー
(CH24 Yチェア)
ポール・ヘニングセン
(PH アーティチョーク)